『ゲッターロボ』
突然、だーん!と音を立てて部屋の入口の戸襖が開け放たれた。
なんだ!?と仰天してそっちを見る竜馬の顔面に、ものすごい勢いで枕がぶちあたった。のけぞって倒れる。びっくりして武蔵が覗き込むと、白目を剥いている。
「えらく力いっぱいぶつけられたなあ」
感心して入り口を見た。そこには號が仁王立ちになっていた。せんべいを食っていた弁慶が、
「よう。號とか言ったな」
「っす」
一応、アタマを下げる。尊敬すべきファーストゲッターの乗組員たちだ。顔をあげ、
「あのう、神さんは」
「あそこ」
二人して顎をしゃくる。部屋の隅で、座卓について、帳面や帳簿やレシートや領収書を広げ、電卓をたたきながらふうとため息をついてから、こちらを見た男が、眉間にシワを寄せた顔で、
「なんだ?」
「よう。あ、あの…」
竜馬を一撃で寝かせた男は、とたんに小心な赤ら顔になって、頭を掻きながら、片足のつま先でもう片足のスネを掻き、
「ラチしていいかよ?」
「ほえ?」
武蔵が呆れ声をあげ、弁慶と顔を見合わせた。
隼人はボールペンのおしりでこめかみをちょっとかいて、
「今夜は忙しい」
神さんにそう言われてしまっては、ひっこむ他に何ができよう、という顔になっていく號に、
「いつもの図々しさはどうした。こんな時でもなければ大佐の独り占めなんか出来やしないんだろうが」
後ろから入って来た凱がまくしたて、背中をどやしつけ、
「あ、ども。先輩方」
二人に会釈する。二人も、凱へもおうと声をかけた。武蔵と弁慶と凱が並んでいると、どうみても「TVちゃんぴおん、大食い選手権大会決勝」という感じだ。
「大佐、付き合ってやってくれませんか。帳簿つけは明日、俺がやりますから」
「お前が?」
「出来るのか?」
武蔵と弁慶に聞かれ、一応簿記二級っす、と返事をする。
「それにしても、随分つきあいがいいっていうか、面倒見がいいヤツだなあ。凱っつったっけ」
「はぁ。なんかこいつ、ほっとけないというか。図々しくて態度がでかいわりに急にぺそっとなるポイントがあって。『あーもう、ったく!』って手を貸しちまうんですよね俺も」
頭を掻いてがははは笑いをしている。
ふうーん、となんとなく笑顔になりながら、また二人は顔を見合わせ、それからなんとなく隼人を見た。
皆に見られて、どぎまぎするような男ではないが、どうも何かの要請を受けているようだ、というのはわかって、
「…ついてこいというのか?」
「はぁ、あの、ついてこいっていうか、ついてきてくださいっていうか、ついていきたいっていうか…」
「あーもう煮え切らないな!流さん相手にはあんなに強気なのによ!おい、號」
前に回りこんで口をでっかく開け、
「早くしねぇと、流さん目を覚ますぞ!」
號は天井近くまで飛び上がって、それから隼人に駆け寄ると、むんずと腕を掴んで、
「一緒にきてくれ神さん!」
「う、うーん」
うめいてから、目をぱちぱちさせ、次にぱっちり開ける。
「お、気がついた」
呑気な声が聞こえる。武蔵のものだ。額に手をやりながら、よいしょと起き上がった竜馬が、
「何なんだ?號のヤツが飛び込んできて、次になんか視界が四角く黒くなって…」
「ああそれなら、コレだろ」
言われて見た。枕だ。
それを見た途端、怒りが爆発した。飛び上がって着地し、わめく。
「なんだあの野郎!突然やってきて枕ぶつけやがった!ふざけやがって〜何だどういうつもりだぁ!」
「そう怒るなって。血管切れるぞ」
「ま、起きぬけには水分ってことで、これ飲んだら」
弁慶にぬるいお茶を差し出されて、むんずとつかむと、ごごごごと飲み干した。
「ぶふー。はあ。やっと落ち着いた。よし、これからあいつの部屋へ行ってリベンジだ。決めた」
言いながら浴衣の前合わせを直し、ふと、
「あれ?あの机で家計簿つけみてーなのやってた隼人はどうしたんだ」
「あー、號が、連れていった」
一拍おいて、怒号が、部屋を揺るがした。
「研究所、経済状態苦しいのか?」
満天の星空の下、ロマンチックに川のせせらぎが聞こえる中庭で、そんなことを聞かれ、隼人は苦笑した。
「お前に心配されるとは、いよいよ研究所もおしまいだな」
「心配ていうか、あんたやたら深刻な顔で帳面見てるからよ」
「もともとこういう顔なんだ」
「それはわかってるよ。…ずっと見てきたんだから」
そんなことをいう相手に、隼人は柔らかく微笑んで、煙草をくわえた。
「ほら」
言いながら、號がライターを差し出す。ぼひゅっと火が上がった。風が吹いて消えそうになる。慌てて手で覆った號の手の上を、隼人の手が包んだ。
思わず声を飲む。隼人の顔が。少し、傾けた角度で、まるで、キスする時みたいに。
近づいてくる。號の手の中の火に、煙草の先がちりりとこげる。
朱の色に照らされた、そのしろい、端整な顔を、目の前で見つめる。隼人の目が、上がって、號と合った。
神さん。スキだ。
音にならない、声が口の形で紡がれた。それに、隼人が答えかけた時、
どかっ!
横からふっとんできた枕に、號はなぎ倒され、ひっくりかえった。
枕に数秒遅れてやってきた男が、
「野郎てめえ、隼人をさらうとはいい根性してんじゃねえか」
どなりつけてから、
「おめえもおめおめとさらわれてんじゃねえぞ!実はこんなのがいいとか言い出すんじゃねえだろな!」
「………」
隼人は無言で煙草をふかしながら、黙って竜馬を見上げている。
やべえな。こいつ、ひょっとすると1号機に乗るやつなら誰でもいいんじゃねえのか?
内心イヤーな気分になった、その横から、
「うぉああああ!てめえ!」
號が絶叫して、自分にぶつかった枕で殴りかかってきた。
「寝てろ!なんで起きてくる!永遠に寝てろぉ!」
「うるせえこのクソガキ!チビすけ!埋めてやるぁ!」
川のせせらぎも台無しな罵りあいが、その後しばらく、こだまし続けた。
『ジャイアントロボ』
顔の下半分を、三角に布で隠した銀行強盗みたいな男二人が、ながーい廊下の入口に、ぬうと立っている。もう大分夜も更けている。喋ったり酒盛りをしている部屋もあるだろうが、もう寝た部屋もあるだろうという時刻に、不穏かつハタ迷惑なことを考えているのは、両手にぶら下げたでかい枕二個ずつ、を見れば、一目瞭然だ。
突然、背の低い方が叫んだ。
「われわれはー」
「われわれはー」
背のでかい方が復唱して続く。
「枕革命軍だー」
「枕革命軍だー」
よし、と背の低い方がうなずいて、
「突撃!」
「うぉー」
一番手前の戸をがらっと開ける。どういうわけだか包帯を巻いたりほどいたりしながら、向かい合って何か話していた一清と村雨がこっちを見た。その顔に向かって枕をぶん投げる。一人二つ持っているから、各々二個、ふっとんできた枕を上半身だけで避けた。
妙な間の後、
「まっ、最初はこんなもんだろ!」
「がははは!」
枕にはヒモがついていて、ひっぱって回収すると、二人はぴしゃん!と戸を閉めて出て行った。
「…なんだ?」
「戴宗の悪ふざけに、鉄牛がついていくと、いつもの図式だろうさ」
肩をすくめた男はやっぱりストライプのワイシャツを着ている。帽子だけは脱いでいたが。
「すみません、御一緒させていただいていいですか?」
「なぁにいいさ。女の数が少ないからねえ。全員でも片手だ」
「お気になさらずに」
「じゃ、遠慮なく。サニーさま、どうぞ」
「はい」
楊志と銀鈴の部屋に、サニーと、ローザと、目だけ出した覆面の美人が上がってきて、座卓に付いた。
銀鈴は甲斐甲斐しく全員分のお茶を煎れて、お茶請けのお菓子をお皿に乗せて配った。
「それにしても驚いたねえ。この旅館もBF団グループだったとは」
ぐるり天井を見渡す。
「ちょっとしたお城じゃないか」
「そんなに大したものではありませんわ」
サニーはちょっと赤くなってから、あ、と手を打って、
「大したものではないと言えば。あの、お近づきのしるしに、どうぞ。お土産です」
覆面女性とローザがはい、とそれぞれ白い包みを二人へ差し出した。
「こいつぁ悪いねぇ」
「いやだ、ごめんなさい。私たちなにも用意してなくって」
恐縮しながらうけとって、ひろげると、Tシャツだった。胸に、『BF』とイニシャルが入っていて、二人は思わず顔がひきつった。
そろそろ〜と見るとサニーたちはにこにこ笑っている。どうやら本当に単なるプレゼントらしい。楊志と銀鈴は顔を見合わせ、「たは」という感じで笑ってから、
「着てみようか」
「ええ」
そう言って、ちょっと失礼と断ってから、浴衣を豪快さんにもろ肌脱ぎになって、Tシャツを着…
ばーん!と音がして戸フスマが突然開いた。
「うわははは!うぉりゃー!」
「うお………!!!!!」
五人はぎょっとしてそっちを見た。銀鈴が一人、「きゃあ!」と悲鳴を上げて胸を隠した。が、乱入二人組のでかい方が、覆面の下を真っ赤にして、その様子にくぎづけになっている。
「オラ鉄牛、なにやってんだ!さっさと枕を投げ…」
「またあんたは何バカなことやってるんだい!ええ!?」
おっぱいを出した楊志が思い切りどなりつけ、自分のところに飛んできた枕を受け止めて投げ返した。見事ストライクで、男は廊下の外までふっとんでいった。
「ちょっと鉄牛!いつまで見てるのよ!」
銀鈴は怒って、胸を隠したままとび蹴りをくらわせた。でかい方も廊下の方へとんでいったが、鼻血がタタミの上に落ちた。
慌てて立ち上がり走り出す。
「いやー災難だったな、大丈夫か鉄牛」
「………」
ちゃんとついてくるが、無言だ。覆面の下は相変わらず真っ赤で、鼻血が止まっていない。
「いいもの見せてもらってよかったじゃねえか」
「う」
うめいてうなづいた。つつーと覆面の下に鼻血が流れた。
「お邪魔する。悪いな、せっかく二人でいるところに」
「エマニエル。わざとらしい言い方はやめてくれ」
呉が顔を赤らめている。中条は苦笑してから、
「大作君はビールという訳にはいかんな」
「え〜大丈夫ですよ」
「駄目だ」
言いながら、冷蔵庫に立とうとする。
「私がやります」
呉がふっとんで行った。今度は幻夜が苦笑する。
座卓をはずして、四人は畳の上に座布団を車座にして、座った。四人とも浴衣を着ている。大作は子供用のものだ。
真ん中にスルメや柿ピーやチーかまの皿を置いて、めいめいビールのコップ(大作はキ○ンオレンジ)を持つと、
「かんぱー…」
ちん、とコップが合わさる前に、戸ががらっ!と開いて、覆面の二人が飛び込んできた。四人共そっちを見る。
「がははは!お、こいつら」
「よっしゃ」
にたり、と笑うと、人間か?と思うような勢いと素早さで枕をぶん投げた。一発目はあやまたず大作と呉の顔に当たり仰け反らせ、もう一発は胸元を直撃して、すぐ後ろで『大丈夫か』というように手を差し伸べていた男の腕の中に、倒れ込ませた。
「おっと」
「す、すみませ…」
「怪我は?」
「平気です」
枕をくらった二人は赤くなっているし、支えている方の二人の頭上には、『役得』というフキダシが浮かんでいる。
枕を回収しながら、わははははと笑い、
「次回のボーナス期待してますぜ長官!幻夜、ありがたく思え!わはははは」
「がはははは」
たーん!と戸を閉めて出ていった。
「…そう、せざるを得ないかな」
中条はそう言い、
「なかなかいいやつらだ」
幻夜も頷いて、それぞれの手の中にいる相手の顔を覗き込んだ。赤ら顔の二人はじたばたして、ちょっと止まって、またじたばたしている。
人に捕まったゾウリムシのようだ。
「うう〜む」
「ふ。五分十分考えても無駄なことだ。この局面を逆転する手をそうそう思いつけるものか」
考え込んでいるのは樊端で、ふっふーんと笑っているのはアルベルトだ。二人とも正座して向かい合っている。間には将棋盤があった。
「う〜む。うう〜む」
苦悩する樊端の手は無意識に自分のヒゲをよりまくっている。
「負けましたと言え。そろそろあっちでくつろぎたいのだがな」
得意満面でそんなことを言う相手を、下からにらみつける。銅銭があったらぶつけてやるところだろう。
残月が浴衣の上にあのアタマで、声をかけてきた。
「おい、まだ指しているのか?ビールの気が抜けるぞ」
「酒盛り連中からお誘いもかかった。そろそろやめにしよう」
「待て、アルベルト。あと一分。あと一手」
嬉しそうにやれやれと肩をすくめ、
「傷口が広がるだけだと思…」
その時、戸ががらっと開いた。
「わはははは!」
「がはははは!」
変な大小の覆面コンビが飛び込んできて、ぶん、ぶんと枕を投げつけてきた。ぎゃっという声、宙を舞うビールのコップ、そして将棋の駒。
ここは人数が多いからなのか、BF団の面々が沢山いるからなのか、いつもより余計に枕を投げつけ、回収し、投げつける。部屋の中をめちゃくちゃにして、来た時同様、二人は笑いながら飛び出していった。
「………」
「なんだ、あいつら」
呆然と誰かが呟いた後、いやあ残念だという明るい声に、皆そっちを見た。
ひっくり返った将棋盤の前で、樊端が眉間にしわをよせながら笑っている。
「これでは勝負は無効だな。一気にひっくり返す手を考え付いたのだが。かえすがえすも残念だ」
わっはっはっはと笑い声が響いた後、
「…たいそう〜〜〜〜〜!!」
地獄の底からわきおこったような声が、廊下のかなたまでとどろき渡った。
「ところで兄貴」
「なんでぇ」
「覆面の意味が、全然無ぇような気がしませんか?」
「何いってやがる。弱気になるな!」
「弱気っていうか…」
背の低い方は無理矢理笑い、でかい方は次第に首をかしげながら、次の部屋に突っ込んで行った。
『ジョジョの奇妙な冒険』
「さあ、そろそろ消灯時間だから、電気を消すよ」
「班長」
声をかけられて、花京院は何だと言いながらそっちを見た。肉屋の息子たちがニヤニヤしている。
「昔の子供じゃあるまいし、この時間に寝るってのはないだろう」
「ないだろうって言っても、消灯時間だ。明日もスケジュールが詰まってるんだし、寝しなにぼりぼり食って寝ると消化が悪くて明日辛いんだから、大人しく寝た方が」
「班長」
魚屋の息子がうんざりした声を上げた。
「お前はマンガに出てくる風紀委員か」
「何わけのわからないことを言ってるんだ?ひょっとして今からよからぬことをやらかそうっていうのか?」
「別に、酒を持ち込んだから一杯やろうとか、今から女子の部屋にしのんでいこうとか、いかにも〜なことをやろうと言ってるんじゃない。枕投げだ」
柔道部主将が腕組みして、
「修学旅行に来たら、枕投げ。それは言わば修学旅行のメモリーだ」
「セオリーじゃ…」
影の薄いひょろひょろした男が口をはさんだが無視された。
「というわけで、枕投げを行う。うん。異議は無いな」
「意義なーし」
全員声を上げウキウキした顔になったが、意義あり、と花京院が怒鳴って、皆シブい顔になる。
「消灯時間だと言っているだろう。周囲に迷惑だ。それにこの重量がぶつかったら当たり所が悪いと怪我するぞ。なおかつ枕はこの旅館の備品だ。もしやぶけたりしたら弁償しなければ」
こんこんと言い続ける男を後ろから、魚屋と肉屋の息子が押さえつけた。
「何をするんだ」
「やっぱりコイツにはハナシが通じなかったな」
「こうなると思っていたけどな」
枕投げだって?なんで同世代の連中はこうも幼稚なのだろう、と時々思うことを今も思いながら、花京院は法皇を使って不自然に思われないように気をつけながら、二人の腕をするりとかいくぐった。
「あれ?」
二人がきょとんとしたのをフフンと思いつつちらりと見た、その時。
「うぉりゃあ!」
前方の男の手が花京院の襟首を掴み、あっと思った時には相手の腰に乗せられて、次の瞬間フトンの上に転がされていた。
衝撃で目が回る。
「大腰、一本!それ!」
「うぉー」
「やめろー!」
悲鳴を上げたが周囲の歓声にのまれてしまった。
がらり。
戸が開いた。便所から帰ってきた承太郎を皆が見上げて、
「おう、JOJO、これから枕投げをやるから」
「JOJOはどっちのチームに」
言いかけた肉屋に、魚屋がかぶりをふって、
「バカだな。JOJOが参戦したらハナシにならねえだろうが」
「あ、そうか」
「勝ったチーム二人と、JOJOが一人で最終決戦てのはどうだ」
「JOJOはシードってことだな」
「それでいいか」
勝手に決められていく。
承太郎は、枕投げの正式ルールというのはあるのだろうかと思いつつ、こういう状況に対して文句をつけそうなあの男はどうしたのだろうと目で探した。
その男は、窓際にある小さな板の間の空間に、手と足を誰かのトレパンで縛られて、転がされていた。ご丁寧にさるぐつわまでかまされている。
「むー。むー」
承太郎は呆れ顔でその真っ赤な顔を眺めていたが、やがてニヤリと笑って傍までいくと、どすんと座った。他の連中はグーなしじゃんけんで組み合わせを決めている。
「いい格好だな」
面白そうに言われて、花京院の顔がいよいよ赤くなる。怒りと屈辱のためらしい。
『承太郎』
床の上にある花京院の顔を見ていた目が、水平より上にあがる。法皇が浮かび上がって、話し掛けてきた。
『ほどいてくれ』
「そいつ使って、ほどきゃいいだろう」
向こうでがやがや喋っているので気づかれないだろうと踏んで、低い声で返事をした。
『自力で、これをほどいたら、さすがに変に思われる。ほどくアクションだけでいいから』
「どうしたもんだろうな」
『考え込むな。ほどけ』
「お前、偉そうだな」
『謝る。ほどいてください。お願いです』
「お前、節操が無いな」
『…君、面白がってるか?』
「わかるか」
言ってから、やばい、と思った承太郎は前方にすっ飛んで、肉屋と魚屋が投げようとしていた枕を引っつかんで、片方で自分の顔の辺りをガードした。びしびしびしと何かが、枕に突き刺さった。
「…なんだ?え?」
皆びっくりして、枕を見る。なにも、刺さっていないのに、枕が穴だらけになっている。
そのまま、ぼろぼろになった枕をぶら下げて、床に転がっている男の傍らに戻ると、お前らいいから、続きやれ、と言ってから、
「これはお前が弁償しろよ」
見ると花京院は悔しくて涙ぐんでいた。承太郎は笑いそうになったが、今度も防げるかどうかわからないので、やめておいた。
仙素さまがくださったお題「枕投げ」でございました。
一言コメント。
ゲッターロボ。號もいい加減諦めればいいのに。でも、この三角関係は結構好き。案外本当に隼人、1号機フェチだったりして。
ジャイアントロボ。メンバーが多いからこういうことになった。中呉でしっとりと枕投げてのもヘンだし。
ジョジョ。最初は三部のメンバーでやらせようとしたんだけど。「これがニッポンの風習なのか」とか言って。これは修学旅行の話の、別時空の話だと思って下さい。
ルパン。お休みした。枕に爆弾詰めて投げるでも宜しいが、『枕投げ』とは違うからね。
枕投げでマジメぶった話はバカみたいだし、ということで正面から行きました。だから話同士が似ちゃったな。お粗末さまでした。
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